やってはいけない勉強法

「7回読み勉強法」が非効率?本当に成績が上がる勉強法を紹介

7回読みって知っていますか?

東大法学部を首席で卒業した、山口真由さんによって考案されました。

◎7回読み勉強法とは?◎

通常教科書や参考書を読むのは1回、多くても2回ということが多いです。

それを7回という倍以上の回数を行います。

何度も読むことを繰り返すので、しっかりと読み込まなくても自然と頭に入ってきやすいです。

また、文章を読むのが苦手な学生でも始めやすい勉強法です。

当記事では7回読み勉強法の流れやメリットやデメリットをご紹介します。

と、その前に7回読み勉強法を紹介します。

7回読みの勉強法

1回目から3回目までは土台づくり

まず1回目から3回目の読書は理解の土台作りに当たります。

意味を理解する必要はなく、教科書のページ数や各単元の分量を何となく把握するだけで十分だそうです。

山口さんは以下のように語っています。

1回目は意味をとろうとせずにサラサラッと読みます。

大見出しだけを目で追うようにして、出題範囲の全体像を頭に入れるためです。

この項目はこれぐらいの分量で、あの項目はこの程度かと、薄ぼんやりとつかむ感じです。

そうすることで頭の中に出題範囲全体の見取り図をつくるんです。

また3回目になると教科書に書かれている内容の全体像が何となく掴めるようになってきます。

こちらに関しても山口さんが以下のように語っています。

3回目になると、同じようにサーッと読みながらも、たとえば世界史の教科書なら、

『次のページの右端には、耳にピアスをしたチンギス・ハーンの写真があって、その左ページはこんな記述があったはずだなぁ』

といった、見当がつくようになります。

ページをめくりながら、自分のイメージ通りかどうかを確かめるような読み方になってきます。

4回目から教科書の捉え方が変わってくる

4回目になると教科書の内容がくっきりと理解できるようになっていきます。

  • あの単元は教科書の何ページに書いてあったか
  • どのページを見れば知りたい情報が把握できるか

といったことが段々とわかってくるようになるのです。

この4回目での教科書の捉え方に関しては山口さんが以下のように語っています。

それまでは、私の内側に川のようによどむことなく流れていた教科書の内容が、4回目ごろから川の中に柵のようなものができて、そこに教科書の情報が少しずつ引っかかるようになる。

つまり、より細かな意味が、私の頭に入ってくるようになります。

5回目から理解度が2割から8割に

5回目になる教科書の理解度が一気に上がり、2割から8割ほどに達します。

またこの段階になれば重要部分を注意しながら読むだけでも、十分に教科書全体的な内容を理解できるようになっています。

この段階の理解に関する山口さんのお話は以下です。

5回目に読むころには、教科書の理解度が2割くらいから、いきなり8割くらいにはね上がります。

6回目で教科書の再現がほぼ可能に

6回目になるとほぼ頭の中で教科書の内容を再現できるようになっています。

読み進めながら教科書の内容を要約することが可能であり、ほぼ完全に内容が頭に入っていう状態です。

7回目で細部の部分まで確認できるようになる

7回目までになれば、教科書の重要部分以外の細部に至るまで理解が及ぶようになっています。

頭の中で再現された内容と実際に教科書に書かれている内容を照らし合わせるように読むことで、その正確性はさらに高まることでしょう。

以下にて、読書が7回目になるとどのようなことが可能になるかについて山口さんが以下のように語っています。

最後の7回目は、斜め読みのような感じでも、自分が細かい部分まで理解できていることを実感します。

しかも読むスピードをとくに変えなくても、ある部分については詳しく確認したり、ある部分については読み飛ばしたりすることが、自由自在にできるようになります。

そのレベルに到達できれば、読むスピードも1回目の5分の1程度の速さになっているので、この段階なら、300ページ前後の法学の専門書を1日7冊ぐらいは読めてしまいます。

3つのメリット

「7回読み勉強法」のメリットは3つ考えられます。

1.記憶が定着しやすい

まず最初にご紹介するメリットは「記憶が定着しやすい」ということです。

ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが発見した「エビングハウスの忘却曲線」を参考にすると、人間は覚えたことを

20分後に42%忘れ、
1時間後には56%忘れ、
9時間後には64%忘れ、
2日後には72%忘れます。

そのため、何度も読書を繰り返すのは記憶の定着のために非常に効果的なのです。

またカナダのウォータールー大学の研究によると、1週間経てばほとんどのことを忘れてしまうものの、学習後24時間以内に10分間復習するだけで記憶率は100%に戻ることがわかってます。

さらに1週間以内に5分間復習すれば再び記憶率は100%ととなるのです。

このように学術的な面から見ても7回読み勉強法は記憶が定着しやすい勉強法と言えるのです。

2.無理なく始められる

次にご紹介するメリットは「無理なく始められる」ということです。

何事もそうですが、何かを始める際に最も困難なのは「始める瞬間」です。

難しいと思った単元も始めてしまえば意外と楽に理解できた、という経験は多くの学生が持っているのではないでしょうか。

7回読み勉強法は始めるための精神的ハードルが最も低い勉強法であると言えます。

特に頭を使う必要は無く、ただ読むだけで良いためです。

しかし記憶の定着に効果があるのは上記の通り。

効果がありながらも無理なく始められるというのは7回読み勉強法の大きなメリットと言えます。

3.途中でつまずきにくい

最後にご紹介するメリットは「途中でつまづきにくい」ということです。

教科書の内容を理解することを挫折してしまう主な原因の一つとして

「理解が難しい単元で止まってしまう」

ということが挙げられます。

その部分は実は教科書全体では重要でない可能性があるかもしれないのに、理解できない部分が出てくると「この教科書は難しい」と感じ、理解を諦めてしまうのです。

あなたもありませんか?

ですが、7回読み勉強法はとにかく読むことだけを繰り返すため、理解できないことで挫折してしまうことはありません。

「分からなかったら何度でも読み返せば良い」と挫折することなく、教科書を読み進めることができるのです。

以上が「7回読み勉強法」のメリットとなります。

7回読みのデメリット

3つのメリットから再読を繰り返せば自然と勉強時間も長くなるため、いかにも効果が高そうな印象を持つかもしれません。

ところが実際に実験して、教科書の再読に効果が認められた例はありません。

何もしないよりはマシですが、そこにかけた時間に見合うだけの成果が得られないの現実です。

あなたは何度も何度も教科書なり、本を読んでいるとすらすら読めるようになってくると思います。

すらすら読めるようになると何だか内容が頭に入ってきてるような気がしますよね。

でもこれが罠です。

これは流暢性(りゅうちょうせい)の錯覚と呼ばれるものです。

簡単に説明すると、実際は内容を理解してもいなければ、覚えてもいないにも関わらず、すらすら読めるという感覚を持っているので、” もう覚えたと脳が勝手に認識” してしまいます。

もちろん脳が覚えたと認識すれば、あなた自身も騙されます。

その状態で、テストを受けてもボロボロの点数になって返却されます。

人間の脳は騙されやすく、直前の情報に大きく影響を受けます。

そのため、今読めているという認知がこれからも読める、覚えているという誤った認知をあなたに与えます。

受け身の勉強

また、繰り返し参考書を読むことの効率が悪い理由として、「受け身」 だからです。

何度もテキストを読めば、情報に接する量は増え、いかにも勉強をしたような気分は得られます。

しかし、ただテキストを読み返すだけでは

「この解法は前に別の参考書で見たやつと違うな…」

といった疑問を持てません。

人間の脳は、興味を持てない情報は、うまく取り込まないように作られています。

ぼーっと参考書を読んでいたら、ページ数は進みますが、内容が全く頭に残りません。

あなたも経験があるかもしれないですね。

本当に使える勉強法

では、どうやって勉強をすればいいのかあなたにシェアします。

1つの方法として、自分が勉強した内容を他人に説明する「ティーチングテクニック」というのがあります。

他人にうまく説明するためには、まず自分がしっかりと内容を理解する必要がありますよね。

また、相手に正しく伝えねばならないプレッシャーのせいで勉強のモチベーションが上がります。

教えるつもり勉強法

「他人に教えようと言われても、そんな相手すぐに見つからないよ」

と、あなたに言われる気がします。

そう思ったあなた、安心してください。

本当に他人に説明しなくても、「教えるつもり」で勉強しただけで効果は得られます。

◎検証:記憶に残りやすいのは?

ワシントン大学が学生たちを2つのグループに分けました。

  • 1.「この後にテストがある」と思いながら勉強する
  • 2.「この後で他の学生に教えなければならない」と 思いながら勉強する

実験結果:教えるつもりの方が正答率28%UP

その後で両グループに確認テストを受けさせたところ、

「他の学生に教えなければ」

と思いながら勉強したグループは内容を正確に思い出す確率が28%も高く、とくに重要な情報ほど記憶に残っていました。

他人にうまく説明するには、自分の中で要点がまとまっていないとできないですよね。

なので、私たちは人に何かを教えなければならないと思うと、反射的に問題のポイントを探して整理し始めます。

すると、受け身学習からアクティブ学習に切り替わります。

ぜひ、「この解法を友達に説明するには?」と考えて勉強してみてください。

まとめ

今回は「繰り返し読みをすべきか」ということに焦点をおいてご紹介させていただきました。

結論としては以下です。

結論
  • 7回読みは記憶の定着や勉強に対する精神的ハードルを下げるがデメリットが多い
  • ティーチングテクニックを使うと記憶力向上

是非、試してみてください。

みんてぃあ

おすすめの記事