Part4はTOEIC L&Rテストでリスニングの最後に立ちはだかります。
45分英語を聞き続け、集中力も切れそうになる中で正解を目指さなければなりません。
しかし、Part4は問題の解き方さえ分かってしまえば意外と高得点が取れるパートでもあります!
もし、あなたが以下の悩みを抱えていればこの記事で解決できます。
- Part4が苦手でスコアが上がらない…
- Part4の解き方がわからない…
- 長文音声を聞き取れず、頭が真っ白になる…
今回はPart4の戦略と勉強法について解説していきます。
Part4の出題形式と配点
まず、あなたにPart4の出題形式についてお伝えします。
出題数 | 30問(トークが10セット) |
---|---|
配点 | 150点 |
内容 | 1人の人物によるトークとそれに関する設問が3問、放送されます。テスト冊子には設問と選択肢が印刷されています。設問の解答として最も適切なものを選びます。 |
解答時間 | 各設問につき約8秒。ただし、グラフィック問題の解答時間は12秒。 |
注意点 |
|
Part3とPart4の違い
Part4はPart3とよく似ていますが、大きく2つの点で違っています。
1つ目:話者が常に1人
Part3の場合は2人の会話や3人の会話が出題されるため、「誰が誰に向かって話しているか」を考えながら問題を解く必要があります。
しかし、Part4ではすべての問題が1人のスピーカーによって読まれるため、話者の関係性を気にすることなく英語を聞き取れれば大丈夫です。
2つ目:問題数
新形式になってから、Part3は39問(13個の会話)となりましたがPart4の問題数は新形式になっても変わらず30問(10個のナレーション)です。
Part3の方がやや問題数が多く、登場人物も多いので集中して聞き取る必要があります。
Part4の出題形式
Part4は一人のスピーカーによる英語長文を聞くパートです。
例えば、電話の応答メッセージや会議の一部、駅や空港のアナウンス、スピーチなどです。
1つの会話につき3問問題が出されます。
全部で10の長文が出題されるため、合計10問(3×10)を解く必要があります。
Part4はこれまでのPart1,2とは異なり、長文問題のリスニングになります。
Part4では一人のスピーカーによるアナウンスやスピーチなどの長い英文が問題文として読み上げられます。
この問題文は、配布された問題用紙の中には一切記載されていません。
- 概要1:問題文が読み上げられると、次は問題文の内容についての質問文とその質問文の答えとなる4つの回答文が読み上げられます。
- 概要2:この質問文と4つの回答文は問題用紙に記載されています。
- 概要3:そして、4つの回答文の中から問題文の内容に適しているものを1つ選択します。
Part3は複数人によって行われる会話であるため、会話に急展開が生じることがたまにあります。
それに対して、Part4は一人のスピーカーによるものなので、話に急展開がないというのが特徴です。
Part4の配点
Part4は先ほどご紹介した通り、30問の問題が出題されます。
TOEIC L&Rテストは全部で200問/990点満点であるため、Part4は全体のおよそ15%を占めています。
得点にするとおよそ150点程度になると考えられます。
目標正答数(30問中):
600点→17問/700点→20問/800点→24問
Part4の戦略と攻略
Part4の戦略
Part4はTOEICの中で最もクニックによって点数が取れてしまうセクションです。
そのためリスニングの勉強をするという感覚よりも、テクニックを知ることです。
そしてテクニックを本番で実践できるように問題に慣れることが大切です。
具体的なテクニックについては後半で詳しく説明していきます。
TOEICではアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの4つの国のスピーカーが使われています。
これらの4つの国の英語というのは、確かに発音が異なります。
しかしながら、いくら発音が違っても英語は英語です。
そのため、この点について気にする必要はありません。
上級者になれば「この発音はオーストラリア人だな」という感じで分かるようになります。
分からないうちはすべて「英語」として聞けば特に問題はありません。
私が初めてTOEICで730点を超えたときも、スピーカーによる国籍の区別はできていませんでした。
それでも問題なく点数を取ることはできます。
スピーカーの国籍は一切気にする必要はなく、ただ英語として聞けば問題ありません。
攻略の基本
1.必ず設問を先に読む
Part4で絶対にしなければならないテクニックは、問題用紙に記載された質問文と4つの回答文の先読みです。
先読みとは、読んで字のごとく、問題文が読み上げられる前に問題用紙に記載された質問文と4つの回答文を先に読んでしまいます。
具体的には、3つ目の設問の後の8秒のポーズを利用して、次の会話が聞こえる前に3つの設問を読むことです。
*設問71~73はディレクションが読まれている間を利用すること
これをしておくと、問題文の中で何が問われるのか事前にある程度の情報を持ってリスニングできます。
Part4のリスニング自体の難易度は高くはありません。
使われている語彙は簡単なものばかりです。
何が難しいのかというと、聞いた問題文の内容を自分の頭の中に留めておく短期的な記憶です。
聞いた瞬間は内容を理解しているものの、問題を聞き終えると聞いた内容を忘れてしまっていります。
これは聞いた問題文の内容を自分の頭の中に留めておく短期的な記憶力が欠けていることが原因です。
しかし、この能力を身につけるのは簡単ではありません。
そのため、ポーズは解答に使うのではなく先読みに使います。
- 1:選択肢には1秒だけ目を通すで構わない。
- 2:設問を読む際はポイントを絞る。
- 3:特に「設問の主語」を確認
(正解のヒントは、その人物が言う可能性が高いため)
2.設問の順番とヒントの順番は一致
設問の順番と、そのヒントが聞こえてくる順番は原則一致します。
そのため、最初の設問のヒントは問題文の頭から15秒以内にあります。
もし解けないと感じたらヒントを聞き逃したか可能性があるので、次の設問に意識を移さなければ全滅する可能性あります。
このパートが苦手な人は、2番目と3番目の設問を確実に解くと決めてください。
設問と選択肢をじっくり読んでから解答すれば、全体の正解率が上がります。
3.言い換えられた表現が正解
問題文に出てきたままの単語やフレーズを含む選択肢が正解になる場合もあります。
しかし、問題文中の言葉を別の言葉で言い換えた表現を含む選択肢は正解となる可能性が高いです。
100%通用するテクニックではないけど、迷ったときに役立ちます
4.マークシートは塗らない
確実に先読みするには、マークシートを塗らないことが一番大切です。
Part3とPart4ではマーク欄の内側に軽くチェックだけすれば先読みに専念できます。
リーディングセクションが始まってから一気にPart3/Part4の69個のマークを塗りつぶすのがおススメです。
この工夫だけでもスコアは劇的に上がります。
5.設問を「森」と「木」に分類
「木を見て森を見ず」という表現をあなたは知っていると思います。
「森」は全体を、「木」は個々の詳細な情報を指します。
Part3とPart4の3つの設問には、全体的な内容を問う「森タイプ」と個々の細かい情報を問う「木タイプ」があります。
「森」問題は後でも解けるので、早めに「木」問題に集中させることが大切です。
まず、問題用紙は下記になります。
Part4 解答手順
TOEIC Part4は1人の人物による長文英語を聞くパートです。
話の内容は電話の応答メッセージ、会議の一部、駅や空港のアナウンス、スピーチなど様々あります。
- Part4は全部で10の音声が用意されています。
- それぞれ3つの設問があるので、合計30問を解きます。
- 音声の長さは30秒から60秒程度。
- 設問文と選択肢は解答用紙に印字されています。
- 音声は1度しか放送されない。
例題を見てみましょう(Mは男性、Wは女性の発話を表す。)
Question 71 through 73 refer to the following advertisement.
Do you love to read? Then the Pace E-Reader is for you. The Pace E-Reader is for you. The pace E-Reader is an electronic reading device that can hold up to one thousand books. And the best part is that it’s lightweight and fits into any bag! So, now you don’t need to worry about carrying several heavy books to get you through a vacation. Just download your favorite books to the Pace E-Reader, put it in your bag, and travel Light! And what’s more , if you buy Pace E-Reader this month, you’ll receive a coupon for a free download of an electronic book of your choice.
(和訳) 問題71-73は次の宣言に関するものです。
読書はお好きですか。それならPace電子書籍リーダーがあなたにピッタリです。Pace電子書籍リーダーは1,000冊まで書籍を収録できる電子書籍端末です。そして一番良い点は、軽量でどんなカバンにも収まることです。ですから、休暇を過ごすために数冊の重い本を持ち歩くことを心配する必要はもうありません。電子書籍リーダーにあなたのお気に入りの本をダウンロードし、それをかばんに入れて、身軽に旅をするだけです。そしてさらに、今月電子書籍リーダーをご購入されますと、お好きな電子書籍を無料でダウンロードできるクーポンをお受け取りいただけます。
Q71.What is the advertisement for?
- (A)Some luggage
- (B)An energy drink
- (C)Some clothing
- (D)An electronic device
Q72.What featre of the product does the speaker emphasize?
- (A)Is material
- (B)its color
- (C)its cost
- (D)its weight
Q73.According to the speaker, What is offered with a purchase?
- (A)A product
- (B)AFree gift wrapping
- (C)A coupon
- (D)A magazine subscription
Q32は「宣伝は何についてですか?」の意味です。「Pace電子書籍リーダー」について説明していたのでDが正解
Q33は「話し手は製品のどんな特長を強調していますか?」の意味です。「電子書籍は軽量でどんなカバンに収まる」と説明しているのでDが正解
Q34は「話し手によると、購入品にあわせて何が提供されますか?」の意味です。「Pace電子書籍リーダーを購入すると好きな電子書籍を無料でダウンロードできるクーポンを受け取れる」と言っているのでAが正解
では、以下に実際の先読みのフローについて記していきます。
手順1: Directionsの最中にQ71~Q73の先読みをする
Part4はQ71から始まります。Part4に入るとき、Part4のディレクション(説明)が英語で読み上げられます。
Directions : 一人のスピーカーによるいくつかのトークをお聞きいただきます。それぞれのトークでスピーカーが述べたことについて、3つの質問に答えるよう求められます。それぞれの質問に最も適した回答を選び、解答用紙に(A)、(B)、(C)、(D)のいずれかの文字をマークしてください。テストブックには印刷されず、1回だけ話されます。
このディレクションは毎回同じで、かつ直接問題とは関係ありません。
そのため、このときからすでに先読みをしていく必要があります。
Part4のディレクションが読み上げられている最中にQ71~73の質問文と4つの回答文をそれぞれ読みます。
手順2: 音声を聞く
TOEIC Part4の音声は、次の73から始まる。
Questions 71 through 73 refer to the following conversation.(問題71-73は次の会話に関するものです)
この案内が流れたら先読みを止め、音声を聞く体制に入る。
音声が流れている最中は意識を集中させ、注意深く聞き取ろう。
手順3: 設問に答える
音声が終わったら、3つの設問文が順番に放送されます。1つの設問が読み上げられると、約8秒間の間が空いた後、2つ目の設問が述べられます。
Q71. Who most likely are the listeners?(約8秒の間)
Q72. What is the purpose of the announcement?(約8秒の間)
Q73. What does the speaker suggest the listeners do?(約8秒の間)
ここで重要なのは、設問解答を必ずしも放送のペースにあわせなくてもいいです。
設問文と選択肢は問題用紙に印字されているので、設問文の放送を待たずとも、問題用紙を見て解答を選べます。
Part4において、設問はできるだけ早目に解答できるのが望ましいです。
そうすることにより、次の音声セットの先読みをする時間が確保できます。
現在の問題を迅速に解答し、次の手順に進みましょう。
手順4: 次の設問を先読みをする
現在の問題を解き終わったら、次の問題の音声が始まるまでの間に、設問の先読みを行う。
『手順2: 音声を聞く』で述べたように、次の音声が始まる合図は
『手順2: 音声を聞く』で述べたように、次の音声が始まる合図はQuestions 74 through 76 refer to the following conversation.(問題74-76は次の会話に関するものです)です。
です。
これが流れたら先読みを止め、音声を聞き取り、設問に解答する。
手順5: 以後、同じ手順を繰り返す
以後、Part4の終わるQ100まで「先読み→設問解答」のサイクルを繰り返す。
Part4で正答率を上げるには集中力の持続が必要不可欠です。
集中力は中間地点(Q86-Q88あたり)で切れやすいので、深呼吸をするなど都度注意を高める工夫をしよう。
先読みの注意点
先読みをする上で注意をしなければならないことは1つあります。
- 先読みのペースを絶対に崩さないこと
- 目標点数によって先読みする量を決定すること
1.先読みのペースを絶対に崩さないこと
先読みのペースが崩れるのには大きく2点あります。
- 回答に戸惑うこと
- 質問文や4つの回答文を読むのに時間がかかる
こうならないための対策としては、ペースが崩れたら潔く1問捨てて先読みのペースを立て直すということです。
Part3で高得点を取るには先読みのペースを崩さないことが最重要です。
1問に固執することでその後の問題を落とすよりも、1問潔く捨てて再度先読みのペースを作り直す方が確実に点数は取れます。
先読みのペースを崩さないこと、これは絶対に守ってください。
2.目標点数によって先読みする量を決定すること
理想はすべての質問文と回答文を先読みすることです。
しかし、すべてを先読みすることが難しいと感じる人もいるはずです。
そんな人は、自分ができる範囲で先読みをするようにしましょう。
大切なことは先読みのペースを崩さないことなので、ペースを崩さないことを前提に先読みする量を決めるようにしましょう。
また、自分が設定している目標点数によっても先読みする量は変わってきます。
満点を目指す人はすべてを先読みする必要があります。
しかし、400点を取りたいと考えている人はそれぞれの問題ごとに先読みする量を減らしてください。
そして、先読みした問題を確実に取りにいくようにしましょう。
3.高い集中力が必要
先読みをしないといけないこと、問題文が長いことなど、Part3は高い集中力が必要になります。
こんなとき、意外にも大切になるのが深呼吸です。
問題の合間で深呼吸をして脳にたくさん酸素を送り込むようにしましょう。
たったこれだけで、だいぶリフレッシュして次の問題に取り掛かることができるようになります。
Part4の問題形式
Part4では、各音声の冒頭にその放送のジャンルが述べられます。
例えば、本記事のはじめに示した例題は、
Questions 71 through 73 refer to the following advertisement.(Q71-Q73は次のアナウンスメントに関するものです)で示されているように「アナウンスメント(お知らせ)」
です。
これから聞く音声のジャンルがわかると、どんな内容が述べられるか、想像がしやすくなります。
broadcast (放送) |
1~3題 |
---|---|
telephone message (電話のメッセージ) |
2~3題 |
excerpt from a meeting (会議の一部) |
2~3題 |
advertisement (広告) | 0~2題 |
orientation(オリエンテーション) tour(ツアー) |
0~2題 |
introduction (人物紹介) |
0~2題 |
以下、Part4によく出る5つのジャンルと、聞き取りのポイントについて紹介します.
broadcast (放送)
放送とは、公共性のある下記の情報になります。
- 天気予報
- 道路情報
- お祭りなどの催事情報
- 行政ルールの変更
ポイントは次の通りです。
放送の「目的」「変更内容」「次の行動」を聞き取る
放送の「場所・状況」と「目的」をまず把握しましょう。
何らかの変更が知らされていれば「何がどう変わるのか」に注意してください。
聞き手が「何をすべきか」も問われます。
設問の先読みは必須です。
telephone message (電話のメッセージ)
telephone messageは「電話のメッセージ」のことです。
Part4でもっとも出現頻度の高い文章ジャンルです。
ポイントは次の通りです。
メッセージの目的と聞き手が何をすべきかを聞き取る
電話の録音メッセージは相手に大事な要件を伝えるために残されます。
そのため、「メッセージの目的」が最も重要になります。
さらに、
- 「メッセージを残した人」と「メッセージを聞く人」は誰か
- 「聞き手は何をすべきか」が問われやすい
です。
旅行業者や歯科医の客へのメッセージや、会社員の取引債や上司・同僚へのメッセージが頻出です。
冒頭ではメッセージを残した人が名を名乗るが、話者は設問ではspeakerと表されます。
設問に人名がある場合は、トークに登場する第3者を指します。
excerpt from a meeting (会議の一部)
excerpt from a meetingは「会議の一部」を指します。
ポイントは次の通りです。
「新しいこと」「変わったこと」と「聞き手への指示」を聞き取る
「会議の一部」とは、会社のチームやプロジェクトの会議の暴動、もしくは終了間際の部分を切り取ったトークです。
売上報告や新製品の開発状況、入管規則や駐車場の割り当ての変更といった「新情報」が伝えられます。
最後に「聞き手への指示」が与えられるという流れが一般的です。
話者・聞き手の職業や所属部署を問う「森タイプ」の問題も頻出します。
込み入った内容のものが多くやや難易度が高いです。
advertisement (広告)
advertisementは「広告」を指します。
テレビやラジオの広告を想像するとよいです。
ポイントは次の通りです。
特典を受け取る方法は最後の部分を聞き取る
広告放送でまず聞き取るべきなのは
- 「商品は何か」
- 「どんなサービスか」
- 「特徴は何か」
さらに特別セールの場合は「開催期間」も重要になります。
また、何か得点(割引、プレゼント、サービス)がある場合、「特典を受け取る方法」は広告の最後で告げられます。
繰り返し練習すれば問題パターンに慣れて、どこが「最後」なのかがわかるようになります。
orientation(オリエンテーション)/tour(ツアー)
orientationは「オリエンテーション」を指します。
ポイントは次の通りです。
◎オリエンテーション
工場などの「施設の案内」と「研修の司会」が多く、聞き手は新入社員や従業員です。
設問は「どこにいるか」「聞き手は誰か」「次にどこに行くか・何をするか」が頻出です。
◎ツアー
ツアーや見学では、訪れる順番通りに時刻や場所が言及されます。
設問の先読みで聞き取るべき情報を絞って起き、関連語句が聞こえたら集中力を高めましょう。
参加者が「訪れる場所」「してはいけないこと・注意すべきこと」が問われやすいです。
Please refrain from…などの依頼表現がヒントになります。
introduction(人物紹介)
introductionは「人物紹介」を指します。
ポイントは次の通りです。
「話す目的」「経歴」「テーマ」を聞き取る
最も多いのが「これから話をする人を紹介する」トークです。
- 「なぜその人が話すのか」
- 「肩書・経歴は」
- 「テーマ何か」
を聞き取ることです。
引退式や表彰式、学会の基調講演、ラジオ番組のゲスト紹介などが頻出です。
設問中の人名は必ずトークに登場するので、聞き逃さないようにしてください。
また、スピーチの冒頭が出題されることもあります。
この場合も「読者は何か」「テーマは何か」に注意してください。
ポイント
試験を繰り返し解いていると、いわゆる「TOEICあるある」を推測できるようになります。
英語の聞き取りに悩んでいる場合、こうした「試験そのものをよく理解する→推測ができるので聞き取りが楽になる」といったアプローチが有効です。
問題形式別 解き方のポイント
Part4の3つの設問には、
全体的な内容を問う「森タイプ」
個々の細かい情報を問う「木タイプ」
があります。
概要把握問題 (森タイプ) |
話の概要について答える |
---|---|
詳細把握問題 (木タイプ) |
話の詳細について答える |
次回アクション問題 (木タイプ) |
会話後の行動について答える |
話し手の意図問題 |
特定のセリフの詳細な意味を答える |
図表問題 | 図表を見て答える |
森タイプ:概要把握問題
概要把握問題とは、全体的な内容を問う「森タイプ」になります。
主には以下の内容になります。
- 何について話しているか(話題)
- 男性/女性は誰か(人物)
- 職業は何か(職業)
- どこで話されているか(場所)
ポイントは下記のとおりです。
- 各問題の1問目に来ることが多い
- 話の冒頭ですぐにヒントが出ることがある
- 話の全体像から推測して判断することもある
ヒントが一度しか登場しない「木タイプ」の問題と異なり、ヒントが複数の箇所に登場することが多いため、最後に解くこともできます。
「森タイプ」の設問は30問中4~10問程度出題されます。
比較的正解を得やすいので、全問正解を目指しましょう。
概要把握問題によく出る設問は下記のとおりです。
◎話題・目的◎ |
What is the purpose of the announcement? アナウンスメントの目的はなんですか |
What is the topic of the broadcast? 放送のトピックはなんですか |
Who most likely is the speaker? 話し手は誰と考えられますか |
Who most likely are the listeners? 聞き手は誰と考えられますか |
◎場所◎ |
Where is the talk taking place? 話はどこで行われていますか |
◎業種・職種◎ |
Where does the speaker most likely work? 話し手はどこで働いていると考えられますか |
most likelyは「もっとも…しそう」の意味です。TOEICの設問文によく出現します。
詳細把握問題
詳細把握問題とは、出来事や事実など、話の細部について問われる問題です。
詳細把握問題のポイントは次のとおりです。
- Part4でもっとも出題頻度が高い
- 「何の問題が起きていますか」などの漠然としたものから、「なぜKenは引越しをしたのですか」などの具体的なものまで様々
- 設問と本文の順番が概ね一致します: 事前に出現箇所の予測を立てて音声を聞く
具体的には以下のが問われます。
◎詳細把握◎ |
What is mentioned about the company? その会社について何が述べられていますか |
What problem does the speaker mention? 話し手は何の問題について言っていますか |
What can the listeners do on a Web site? 聞き手はウェブサイトで何ができますか |
What does the speaker ask the listener about? 話し手は聞き手に何を尋ねていますか |
What does the speaker suggest? 話し手は何を提案していますか |
What has the company recently done? その会社は最近何をしましたか |
次回アクション問題
次回アクション問題とは、人物(話し手/聞き手)が何をするかについて問われるものです。
次回アクション問題のポイントは次のとおりです。
- ほとんどの場合、各問題の3問目に出る
- 話の終盤にヒントがあることが多い
- 音声中、2問目のヒントを聞いたら次回アクションのヒントを待ち構える
具体的には、
「問題」は「心配・トラブル表現」
「次の行動」は後半の「未来表現」、「依頼・提案・申し出」
がヒントになります。
問題・心配事
What is the man’s problem?などは、問題や心配事を問う「木タイプ」の問題です。
30問中1~3問出題されます。
ヒントは問題の主語が言う「・・・が心配だ」と言った懸念を表す表現や、「・・・が壊れた」「・・・を忘れた」と言ったトラブルに関する表現です。
次回アクション問題によく出る設問文は次のとおりです。
◎問題◎ |
What is the speaker problem? スピーカーの問題は何か? |
What is the speaker concerned about? スピーカーは何を心配していますか? |
What problem does speaker mention? スピーカーはどんな問題に言及していますか? |
次の行動
一方、What will the listener do next?などは、設問の主語が次に取る行動を問う「木タイプ」の問題です。
30問中2~6問出題されます。
3問目として出題されるので、ヒントは設問の主語の終盤の発言に登場します。
提案・申し出表現、特に、未来を表す助動詞willに続く動詞に注意してください。
また、会話の相手の発言中の「・・・してください」と言った依頼表現もヒントになります。
次回アクション問題によく出る設問文は次のとおり。
◎次の行動◎ |
What will the speaker probably/most likely do next? スピーカーは次に何をする可能性が高いですか |
What does the speaker say he/she will do? スピーカーは何をすると言っていますか? |
What does the speaker ask listeners to do? 話し手は聞き手に何をするよう求めていますか |
What will the listener do next week? 聞き手は来週何をしますか |
What does the speaker say will happen in April? 4月に何が起こると話し手は言っていますか |
話し手の意図問題
話し手の意図問題とは、特定のセリフの詳細な意味について問われる問題です。
印刷された設問中に引用符””で囲まれた分があれば「意図問題」になります。
会話を聞き、引用符内の発言がどのような意図で行われているかを答える。
ヒントは会話の流れにあります。
例えば、「もう10時だ」という発言は、
- 会議直前の会話なら「開始時間に遅れてしまう。」という意味
- 残業中の会話なら「そろそろ帰宅したい」という意味
になります。
全ては文脈次第になります。
先読み時に発言をチェックすることは大事です。
しかし、その聞き取りだけに集中せずに、流れを押さえることが大切です。
意図問題は30問中1~2問出題されます。
話し手の意図問題のポイントは次のとおりです。
- Part3とPart4を通算して5問程度
- セリフの前後関係を正しく理解しないと解けない
- 選択肢はポジティブな内容とネガティブな内容で分かれていることが多い:
迷ったら口調から雰囲気で判断する
話し手の意図問題によく出る設問文は次の通りです。
頻出パターン |
What does the speaker imply when (s)he says, “…”? 話し手が…と言う時、何を示唆していますか |
What does the speaker mean when (s)he says, “…”? 話し手が…と言う時、何を意図していますか |
Why does the speaker say, “…”? 話し手はなぜ…と言いましたか |
図表問題
図表問題とは、会話から聞き取れる情報と、図や表(グラフィック)から読み取れる情報を組み合わせて答える設問が「グラフィック問題」です。
難しく思えますが、会話を聞く前にグラフィックから話題が分かることは大きなメリットです。
ポイントは次の通りです。
- Part4の最後の3セット(あるいは2セット)に出現します
- 図表問題を見て解く問題はLook at the graphic.(図表を見てください)で始まる設問のみ: それ以外の2問は図表と関係なく解けます
- 図表の情報の一部が選択肢と対応する: 図表の別の情報と音声を関連付けて解く
図表問題によく出る設問文は次のとおりです。
◎設問文◎ |
Look at the graphic. Where/Which/What/How…? (図表を見てください。どこ/どちら/何/どうやって…をしますか) |
図表問題は前もって図表を見ておくことが正答率をあげる鍵です。
少ない解答時間の中で、図表を見て選択肢を選んで・・とやってもしっかりと正解を選ぶのは難しいです。
問題と図表を先に読んでおき、会話を聞きながら正解となる選択を吟味し解答していきましょう。
Part4の勉強法
Part4の勉強法は、やはり先読みに慣れることが最重要です。
聞き取りの強化を考えることももちろん大切ですが、これは短期間ではどうにもならないのが事実です。
そのため、問題形式と先読みに慣れることに重点を置いた学習をしていきましょう。
TOEIC公式問題集が理想ですが、本番と同じ形式の問題を先読みをしながら慣れるようにする勉強をしていけば大幅に点数は伸びます。
また、TOEICの本番の英語のスピードよりも速いスピードの英語を聞いておくことも勉強としては有効です。
速いスピードの音に慣れてしまえば、本番のスピードはゆっくりと聞こえるようになります。
これにはもともと速い音が収録されている教材を買う、もしくは音声加工で音を速くするなどの方法があります。
また、以下の方法もあります。
基本的なビジネス用語を理解
TOEICで頻出するビジネス英語について、単語をしっかりと理解します。
これまで英検や大学受験で英語に取り組んできた人も、TOEICを受けてみると出てくる単語が違ったり、同じ単語でもビジネス文脈で使われることが多い感じます。
TOEICは他のテストとは異なり、ビジネス要素の強いテストです。
そのため、専用の単語帳を使うなどしてTOEIC頻出単語は押さえておくようにしましょう。
短文の聞き取りができるようになる
会話文を聞き取り、正答を選ぶためには、まずは短文の聞き取りができる状態を目指しましょう。
まずは文の中の「主語」と「動詞」を的確に聞き取る練習をすると、文の核となる意味をとらえることができます。
長い会話を聞くのが苦手な人は、まずは一文ずつ理解をする練習をしていきましょう。
シャドーイングで音声認識のスキルを上げる
シャドーイングとは、流れる音声に追いかける形で英語を発音していく勉強法です。
音声に影のようについていくためシャドーイングと呼ばれます。
シャドーイングでは、音声を認識したら即座に口に出さなければいけないため、耳で聞いた音をすぐに理解するスキルが鍛えられます。
まずはスクリプトを見ながらシャドーイングをしてみて、慣れたら何も見ずにシャドーイングにチャレンジしてみましょう。
ディクテーションでリテンション能力を上げる
Part3で高い正答率をあげるためには、会話を少しの間記憶にとどめておき、正しい選択肢を選ぶ必要があります。
この少しの間記憶を保持することを「リテンション」と言いますが、リテンション能力を高めるためにはディクテーションという方法が効果的です。
ディクテーションとは、読み上げられた音声を書き起こす勉強法です。
会話が読まれてから実際に書き起こすまで、音声を頭の中に一時記憶して、それを出力する必要があるため一時的な音声の記憶を鍛えるのに効果的です。
テスト中に気がそれることがあっても、リテンション能力を鍛えておけば会話の流れを追うことができ、集中力が弱まってきても得点を伸ばすことができるでしょう。
まとめ:最後まで集中を切らさないこと
この記事では、Part4について詳細を解説してきました。
内容をまとめると次のようになります。
- Part4は長文ナレーションを聞いて内容に関する設問に答えます
- Part4は5つの解答手順に従って解く
- Part4は「電話のメッセージ」などのジャンルがあります
- art4は概要把握問題など5つの問題形式があります
- 範囲を絞ることで効果的に先読みをします
TOEIC L&Rテストのリスニング問題は45分と長丁場で問題数も100問と、かなりボリュームがあります。
英語を理解する能力はもちろん、集中力を維持し続ける力も必要となってきますので、本番前には本番同様のタイムスケジュールで問題を解く練習を重ねると良いでしょう。
テクニック的な部分はもちろんですが、まずは基礎的な英語力を高めて集中力をアップさせることが、Part4で高得点を取るための近道です。
みんてぃあ